「産後クライシス」という言葉を知っていますか?
日本のウィキペディアによると、「出産を契機として夫婦仲が悪化する現象」で、「2012年9月にNHKのテレビ番組『あさイチ』の中で提唱され、反響を呼んだ言葉」だそうです。
著者はこの言葉を妊娠するまで知りませんでした。 しかし言葉は知らなくても、産後クライシスにあてはまる実際の夫婦の話を、身近なところでもよく耳にしていました。
妊娠する前の私は産後クライシスが理解できませんでした。愛する夫婦の間に、二人の愛の結晶である新しい命を授かる。そんな素晴らしい経験をして、夫婦の仲が悪化する意味が分からなかったからです。しかし、自分が妊娠、出産、育児を経験して、なぜ産後クライシスが起きるのか、今ではよく理解できます。
ベネッセ次世代育成研究室が行っている288組の妊娠中のカップルを4年間にわたり追跡し、「(配偶者を)本当に愛していると実感する」かどうか毎年聞くという調査では、子供が生まれる前は、男女ともに約75%の人が「本当に愛していると実感する」と感じているそうですが、子供が1歳を迎えるころには、男性54%、女性は36.4%まで落ち込むそうです。
また大変残念なことに、厚生労働省が行っているシングルマザー白書によると、子供が何歳のときに親が離婚したか(死別を除いていつシングルマザーになったか)の調査で一番多かった年齢が、子供が0~2歳の時だそうです。
最近はさまざまなメディアで取り上げられる様になってきた産後クライシス。そのほとんどが男としての夫と女としての妻に焦点が当てられていますが、産後クライシスは夫婦だけの問題ではありません。
パパとママの仲が悪くて、喜ぶ子供がいるでしょうか?
ましてや夫婦が離婚となった時、誰が一番影響を受けるのでしょうか。
離婚とまではいかなくても、子供はママがパパの悪口を言っているところ、もしくはパパがママのことを悪く言っているところをみて、どう思うでしょうか? 子供の気持ちを想像してみて下さい。
子供を授かったみなさんは男と女であると同時に、お子さんの「親」です。 「親」には心身ともに健康な子供を育てる義務があります。
パパとママが男と女として幸せな生活を過ごすためにも、そして大事なお子さんを幸せな子供に育て上げるためにも、産後クライシスを未然に防止すること、また起きてしまっている場合には、改善することが非常に重要です。
ここでは産後クライシスが起こる理由、その防止方法、及び改善方法について、ご紹介したいと思います。
産後クライシスが起こる理由
妊娠中から産後クライシスを未然に防ぐ
起きてしまっている産後クライシスを改善する