《症状》

●頻尿: 尿が近い。尿の回数が増えること。妊娠6週目辺りから症状が出始めます。

一回の排尿量が少なくなる、残尿感を感じることもあります。妊娠中期になると一旦治まるという噂もあるそうですが、リサーチしたところ、そんな嬉しい期待は起こらないそうです(著者の体験でもありませんでした)。 基本的に妊娠が進むにすれ悪化します。

妊娠中は水分補給も非常に重要なため、妊娠後期には1~15分感覚で尿意を感じる様になります。しかし、産後一週間も経つと、正常の排尿に戻ってきます。

●尿漏れ(失禁):自分の意思に反して尿が漏れること。特にくしゃみをしたとき、笑ったとき、荷物を持ち上げようとしたとき等に、「ぴゅっ」と出てしまいます。

外出中、思った以上に量が出ると、焦ります。尿漏れで悩んでいる方、他にもたくさんの妊婦さんが同じ経験をしているので、恥ずかしがる必要はありません!しかし、妊娠中だけで症状が治まればいいですが、産後にも尿漏れの症状が続くことがあります。

ある調査によると、出産後、なんと約50%の人が産後も引き続き尿漏れに悩んでいるそうです。これを防ぐためにはそれなりの対策をする必要があります。

●尿閉/排尿困難: 尿が膀胱内に貯留し,排出されない。尿意があっても排出できない。
この症状はあまり知られていませんが、妊娠初期~中期に経験する方が少なからずいらっしゃるようです。原因と対処法は以下を参照。

《原因》

●頻尿: ちまたでは大きくなる子宮に伴って膀胱が圧迫されるために頻尿になると言われていますが、頻尿の原因は実はそれだけではありません(その証拠に頻尿は妊娠初期から経験します)。

妊娠をするとホルモンが変化するため、血液の流動が早くなり、その分膀胱内に尿を貯留する頻度が高くなるそうです。更に、妊娠が進むにつれ体内の血液の量が大量に増えるため(150%増くらいまで)、その分の液体が腎臓を通った上、膀胱に貯留されることにより起きるそうです。そこに、子宮からの圧迫が伴うため、妊娠が進むにつれさらに尿意が近くなります。

●尿漏れ(失禁):大きくなった子宮に膀胱が押されるため。また膀胱の括約筋(尿の排泄をコントロールする筋肉)や、骨盤底部にある筋肉が咳やくしゃみ、笑った時などによりさらに押されそのプレッシャーに耐えられなくなるため、尿漏れがおきるそうです。妊婦さんの中には膀胱が過剰稼働しているケースもあり、それが原因になることもあるそうです。

●尿閉/排尿困難:この症状の主な原因は「子宮後屈」だそうです。子宮は通常、お腹側に傾いた状態(子宮前屈)をしており、背中側に傾いているものを「子宮後屈」と言います(女性の約20%が子宮後屈だそうです)。子宮後屈そのものは病気でもなく、心配はいらないそうですが、妊娠中、この子宮後屈が尿道を圧迫することによって、排尿難が起こるそうです(通常、子宮は妊娠12週目までに骨盤から上がり、お腹の前方ににまっすぐな形で収まるそうですが、子宮後屈の方は子宮が骨盤から上がらず、そのまま子宮が大きくなるため、尿道や膀胱を圧迫するそうです)。

また、排尿難が理由で膀胱炎が引き起こされる事があるそうです。子宮後屈を経験された方は突然の症状に心配される方も多いですが、特に異常がない限り、妊娠中期までに自然治癒(子宮が正常の位置に収まる)するそうです。

《対策》

基本的に上記の症状を治す事はご承知の通り、不可能です。ここでは多少なりの軽減方法と、困った時の対応法をご紹介いたします。

●頻尿:妊娠中は赤ちゃんのためにも水分補給が非常に重要です。ですから頻尿防止のために水分補給をしない事は避けて下さい。また、我慢することによって膀胱炎になる可能性があるので、長時間我慢することは絶対にやめましょう。少しでも防止する方法は

  1. 利尿作用のある飲み物を控えること(コーヒー、お茶類、栄養ドリンク、カロリー控えめドリンク等)
  2. 体が冷えると尿意も近くなるので、特に冬は厚着をして体を冷やさないようにする
  3. 排尿する際、前かがみの姿勢をとり、出来るだけ長く便座で粘り、少しでも残尿がないよう頑張ることです。

尿漏れが大量に出てしまう方は、生理用ナプキンの使用をオススメします(多い日用がいいかもしれません)。基本的に妊娠中はみんな経験する仕方がないことです。しかし、例えば仕事の重要会議等でどうしても頻尿が困る時はどうしたらいいでしょうか。また、特に尿が近くなる妊娠中期、後期は外出には注意が必要です。以下にそれらの対策を紹介します。

重要な仕事の際の頻尿対策:

一番重要なことは、必ず先に「妊娠中でお手洗いが近い」事を伝えておくことです。ご自分の会社の上司、そして相手企業の上席の方に自分から、もしくは上司からこっそり伝えてもらいましょう。恥ずかしがって伝えないと、トイレに何回も行っているのを見て逆に相手が心配になります。また会議が長期になりそうな場合はご自分のアシスタントとなる人を同席させましょう。事前に情報共有をした上でどうしても自分がトイレにいかなければならない時にその方にバトンタッチできるようにしておきましょう。

また、聞き漏れが許されない会議の場合は「録音機」を使うことをオススメします。そして会議の2時間前くらいから、通常よりも水分補給量を減らす必要があります(終わったらその分たくさん摂取しましょう)。会議等の10分前までしばらくトイレで座って過ごし、できる限り出し切ってから本番にのぞむと良いでしょう。

外出中の頻尿対策:

特にお腹が出てくる妊娠中期、そして後期はご自分でも驚く程尿意が近くなります。そして困るのが外出中のトイレ。常にトイレの位置を確認しながら行動して下さい。トイレがまったくなさそうな所に何時間も滞在することは妊婦には不可能です。特に中期にご旅行に行かれる方はこのことを忘れないでください。日本ではお店でも地下鉄でも公園でもだいたいどこでもトイレがありますが、海外旅行の際は注意が必要です。

常にトイレが近くにあることを確認してから外出してください。また念のため、トイレットペーパーを持ち歩こくことをオススメします。そして観光中の時間に関しても10分に一回トイレに行く時間を考慮して行動しましょう。

●尿漏れ(失禁):尿漏れ防止にはいくつか軽減方法があります。妊娠が進むにつれ効果が薄れることもありますが、以下にいくつか紹介します。

その場をしのぐための豆知識:

立っている時は、片足に重心を置き、女性器を太ももの内側でカバーするような立ち方をしてみて下さい。また座っているときは足を組んでみて下さい。尿漏れの量を格段と減らすことができます。

膀胱トレーニング:

無理のない程度に尿意を我慢し、膀胱の筋肉を強化する方法。尿意を感じてもすぐにトイレに行くのではなく、前回のトイレから30分は待ってみましょう。それができるようになったら10分ずつ時間を伸ばしてみましょう(ただし3時間以上我慢する必要はありません)。

ケゴルエクササイズ(骨盤低筋エクササイズ):

Kegelエクササイズって聞いたことありますか?日本では滅多に聞かない言葉だと思いますが欧米のママはみんな知っている骨盤低筋エクササイズです。骨盤底筋とは女性器の周りの筋肉をさします。この筋肉を鍛えることによって、尿漏れを防ぐエクササイズです。

まずは骨盤底筋の動かし方です。おしっこをしている途中で一度止めてみてください。はい、それです。その時に動かしたお股の筋肉がありますね?それを骨盤底筋といいます。ケゴルエクササイズの方法は、1回につき30回、その骨盤底筋を開いて閉じてを繰り返し、それを一日に3セット行います。「1回につき30回を1日3回も!?めんどくさい。。。」と思われるかもしれませんが、これは仕事中、通勤中、お化粧中、いつでもどこでも気軽にできます。

そして何より、その効果が非常に重要です。このエクササイズは出産時の「いきみ」にも大いに役立つだけでなく、産後の尿漏れ防止にも非常に役に立ちます。そして産後のSEXの際にも、パートナーを喜ばせることができます。ですのでできるだけ早い時期からはじめ、産後も引き続き行うことをオススメします!

●尿閉/排尿困難:頻尿ならまだしも、おしっこをしたいのに突然でなくなると非常に不安になりますよね。またそのまま放置しておくと、それが原因で膀胱炎になってしまいます。尿閉/排尿困難になってしまったら、まずは水分を大量に摂取し(特に利尿効果のあるスポーツドリンク等)、腰の下にクッション等を置き、腰の位置を高くして横になって下さい。

この方法でたいていの方はおしっこが出るようになるそうですが、この方法でも無理な場合は病院にて導尿してもらう必要があるので、すぐに病院に連絡して下さい。

《関連する疑問》

Q:尿漏れと破水が分かりにくいと聞きました。 違いはなんですか?

A:自覚では非常に分かりづらいそうですが、大きな違いは破水は生臭い匂いがする一方、尿漏れは無臭だということです。しかし、尿漏れか破水か分からずに病院に行ったところ、「破水してた!」というのはよくある話だそうです。ですので特に予定日近くにそのような感覚がある方はご自分で判断せず、必ず病院に相談しましょう

《注意すべき症状》

排尿する際(特に排尿後)に痛みや焼けた感じがする場合は必ずお医者さんに見てもらって下さい。膀胱炎の可能性があります。妊娠中の膀胱炎は胎児にも影響を与えますので、放置することは絶対にやめましょう。 尿閉の方で応急処置をしてもおしっこがでない方も必ずお医者さんに見てもらいましょう。

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《参考/Reference》